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相模國六社をすべて参拝して分かったこと|一之宮から総社まで、回り方と見どころのまとめ

2026/10/24

延喜式内社 神社 御朱印

相模國六社をすべて参拝して分かったこと|一之宮から総社まで、回り方と見どころのまとめ

延喜式内社を調べていて出会った「六社」

神社めぐりを続ける中で、私は「延喜式内社(えんぎしきないしゃ)」を少しずつ調べるようになりました。
平安時代の延喜式神名帳に名前が載っている、古くからの神社です。
相模国では13社が載っていて、「相模国延喜式内十三社」と呼ばれています。

その十三社を調べていると、寒川神社・川勾神社・比々多神社・前鳥神社の説明に、決まって「相模國六社」という言葉が添えられていました。
一之宮・二之宮・三之宮・四之宮に、平塚八幡宮と六所神社を加えた六つの神社のことです。

延喜式内社を回るつもりで調べていたら、もうひとつの「つながり」が見えてきた。
それが、私が六社を意識して回るようになったきっかけです。

今回は、過去にブログで書いてきた六社の参拝記録をまとめて振り返りながら、
「相模國六社って何?」「どう回ればいい?」という疑問に、参拝した側の目線で答えてみたいと思います。

相模國六社とは

相模國六社(さがみのくにろくしゃ)は、昔の相模国(今の神奈川県のおおよそ西半分)を代表する六つの神社です。

  • 一之宮:寒川神社(高座郡寒川町)
  • 二之宮:川勾神社(かわわじんじゃ/中郡二宮町)
  • 三之宮:比々多神社(ひびたじんじゃ/伊勢原市)
  • 四之宮:前鳥神社(さきとりじんじゃ/平塚市)
  • 八幡宮:平塚八幡宮(平塚市)
  • 総社:六所神社(中郡大磯町)

一之宮〜四之宮は、その国で格が高いとされた神社の順番です。
これに国府(今でいう県庁のような役所)の近くにあった総社の六所神社と、平塚八幡宮が加わって「六社」になっています。

総社というのは、国司(役人)が国内の神社を一社ずつ回る代わりに、その神々をまとめてお祀りした神社のことです。
国のお役所と神社の関係が、そのまま形として残っているのが面白いところです。

冒頭で書いたとおり、寒川神社・川勾神社・比々多神社・前鳥神社の4社は延喜式内社でもあります。
延喜式がまとめられたのは927年。六社のうち4社は、今からおよそ1,100年前にはすでに朝廷に知られていた神社ということになります。

六社がそろう「国府祭(こうのまち)」

六社を語るうえで外せないのが、毎年5月5日に大磯町国府本郷で行われる国府祭(こうのまち)です。

六社の神輿が神揃山(かみそろいやま)に集まり、昔の国司が行った祭りの形を今に伝えるとされています。
中でも有名なのが、一之宮の寒川神社と二之宮の川勾神社が「どちらが上座か」を言い争う「座問答(ざもんどう)」という神事です。
決着がつかないまま「また来年」となるのが習わしだそうで、千年以上同じやりとりを続けていると思うと、なんとも味わい深いものがあります。

私自身は国府祭を見に行ったことはまだありません。
ただ、2022年に寒川神社でいただいた国府祭の特別御朱印は、日付が5月5日になっていました。
御朱印の日付ひとつにも、六社のつながりが表れているわけです。

実際に回った順番と、それぞれの印象

私の場合、六社を「一日で全部」回ったわけではありません。
2016年から2017年にかけて、少しずつ回りました。

寒川神社の大鳥居
高座郡寒川町 寒川神社 大鳥居(2017年1月23日参拝)

一之宮 寒川神社:ご祈祷で何度も訪れる場所

寒川神社には約10年前に厄除けでお世話になってから、年に1〜2回は参拝しています。
八方除で知られる寒川神社は、六社の中でも別格の大きさです。
御本殿はとても広く、ご祈祷もその中で受けます。2017年の八方除の初穂料は5,000円でした。
ご祈祷を受けた人だけが入れる「神嶽山神苑」がありますが、このときは開園期間外で見られませんでした。

二之宮 川勾神社・総社 六所神社・八幡宮 平塚八幡宮:1日で3社

2017年7月16日は、川勾神社、六所神社、平塚八幡宮の3社を1日で回りました。
3社とも二宮町・大磯町・平塚市と隣り合った地域にあるので、まとめて回りやすい組み合わせです。

川勾神社の随身門
中郡二宮町 川勾神社 随身門(2017年7月16日参拝)

川勾神社は、石段を登った先に茅葺きの随身門があり、中には平安後期の木造の随身像が安置されています。
石段の横には、伊藤博文の題字による古い神社銘も残されていました。

六所神社は、国道1号に面した赤い鳥居をくぐり、JRのアンダーパスを抜けた先にあります。
本殿前の石垣は北条氏が造営したものと案内されていて、戦国時代の相模の歴史を感じる神社でした。

平塚八幡宮の御殿と茅の輪
平塚市 平塚八幡宮 御殿と茅の輪(2017年7月16日参拝)

平塚八幡宮は2016年9月に続いて2回目でした。
7月だったので御殿の前には茅の輪が設けられていて、池にはアヒルやカモがのんびり泳いでいました。
境内社の平塚弁財天と鶴峯山稲荷社の御朱印もいただけます。

三之宮 比々多神社:2回目でやっとゆっくり

比々多神社の拝殿
伊勢原市 比々多神社 拝殿(2017年8月12日参拝)

比々多神社は、1回目の2016年12月は帰り道に寄ったため夕方になってしまい、境内をほとんど見られませんでした。
2017年8月に午前中に出直して、ようやくゆっくり回ることができました。

拝殿の前には狛犬ではなく干支の像が置かれていて、1回目は猿、2回目は酉に替わっていました。
境内の奥には「三之宮三号墳」や「下谷戸縄文遺跡」があり、この場所が神社になる前から人の営みがあったことが分かります。
六社の中でも、いちばん「古さ」を肌で感じた神社です。

四之宮 前鳥神社:学問の神様がいる神社

前鳥神社の社殿
平塚市 前鳥神社 社殿(2017年11月12日参拝)

前鳥神社は2016年に続き、2017年11月が2回目でした。
境内社の奨学神社は、百済から渡来した阿直岐(あちき)・王仁(わに)と菅原道真を祀る学問の神様です。
御神木の大欅や「幸せの松」など、境内をゆっくり歩くだけでも見どころがあります。

六社めぐりをしてみて分かったこと

1. 地図で見ると、六社は「相模川の西側」に集まっている

回ってみて気づいたのは、寒川神社以外の五社が、相模川の西側、平塚・大磯・二宮・伊勢原のあたりにまとまっていることです。
昔の相模国府がこのあたりにあったことと関係があると言われています【要確認】。
地図で場所を確かめてから回ると、「なぜここに国の中心があったのか」が少し見えてきます。

2. 一日で回るなら、エリアで分けると楽

車で回る場合、私のように「二宮町・大磯町・平塚市の3社」をひとまとめにすると効率がよかったです。
残りの寒川神社・比々多神社・前鳥神社は、それぞれ別の日に組み合わせても無理がありません。
全部を一日で回る方もいるようですが、駐車場の台数が少ない神社(川勾神社は10台ほど、六所神社は数台)もあるので、時間には余裕を持ったほうが安心です。

3. 2回目の参拝で見えるものがある

比々多神社も前鳥神社も平塚八幡宮も、私は2回ずつ参拝しています。
1回目は「御朱印をいただいて帰る」で終わってしまったところも、2回目には境内の奥や由緒書きまで目を通せました。
長年Webの仕事をしていると、一度見たページを読み返して初めて気づくことがよくあります。神社も同じで、二度目のほうが「分かる」ことが多いと感じました。

4. 延喜式内社だけを追っていると、見落とすものがある

六社のうち、平塚八幡宮と六所神社は延喜式内社ではありません。
延喜式の一覧だけを頼りに回っていたら、この2社には足を運んでいなかったかもしれません。
「式内社かどうか」とは別の物差しで、その土地で大切にされてきた神社のまとまりがある。
六社を回ってみて、一つの資料だけで全体を判断しないことの大切さを、あらためて感じました。

それから、御朱印はあくまで参拝した証です。集めることが目的にならないように、まずはお参りを、という気持ちは今も変わりません。

まとめ

  • 相模國六社は、一之宮〜四之宮に総社・六所神社と平塚八幡宮を加えた、相模国を代表する六つの神社
  • 毎年5月5日の国府祭で六社が神揃山に集まり、寒川神社と川勾神社の「座問答」が行われる
  • 寒川神社以外の五社は平塚・大磯・二宮・伊勢原周辺にまとまっていて、エリアを分けると回りやすい
  • 一度で全部を見ようとせず、二度三度と足を運ぶと、それぞれの神社の歴史がよく見えてくる

最初は延喜式内社を調べる中で知った「六社」という言葉でした。
それが一社ずつ回るうちに、相模国という昔の「国」の形が、少しずつ見えてきたように思います。
神奈川県にお住まいの方は、身近な一之宮から始めてみてはいかがでしょうか。

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