2026/10/15
ホームページ制作
ホームページ制作の相談を受けていると、かなりの確率で出てくる質問があります。
「ドメインとサーバーって、何が違うんですか?」
正直に言うと、これは私が長年Web制作をしてきた中でも、一番説明が難しい話 のひとつです。
目に見えるものではありませんし、契約する会社が別々だったり、同じだったりします。しかも、普段ホームページを見ているだけなら、まったく意識しなくても困りません。
困るのは、ホームページを新しく作るときと、引っ越すとき です。
このブログでも、ネームサーバーの変更、hostsファイルの編集、nslookupでの確認、サーバー移行の手順など、ドメインとサーバーにまつわる記事をいくつも書いてきました。どれも、実際の作業で「つまずいた」「忘れないように残しておこう」と思ったことばかりです。
今回は、それらの経験をまとめて、初心者の方にも分かるように「ドメイン」「サーバー」「ネームサーバー」の関係を整理してみます。
私がいちばん分かりやすいと思っているのは、次のたとえです。
インターネット上の本当の住所は、「IPアドレス」という数字の並びです。でも、数字は覚えにくいので、人間が覚えやすい名前としてドメインを使います。
ブラウザにドメインを入力すると、裏側で案内係(ネームサーバー)に「この住所の建物はどこ?」と問い合わせが行き、教えてもらった数字の場所(サーバー)からホームページのデータが届く。ざっくり言うと、そういう仕組みです。
ここが初心者の方が混乱しやすいポイントです。
ドメインは「お名前.com」や「ムームードメイン」などで取得し、サーバーは「ロリポップ」や「Xサーバー」などで借りる、というように 別々の会社と契約することがよくあります。
もちろん、同じ会社でまとめて契約することもできます。ただ、まとめて契約していると「どこまでがドメインの契約で、どこからがサーバーの契約か」が見えにくくなります。引っ越しのときに、ここで迷う方が多いように感じます。
2020年に、Jimdoでホームページを作ったことがあります。私にとっては、Jimdoでの制作は初めてでした。
このとき、以前のサイトで使っていたドメインを、そのままJimdoのサイトで使いたいという話になりました。
やったことは、次のとおりです。
たとえで言うと、「住所はそのままで、案内係をJimdoの人に交代してもらった」 ということです。
Jimdoの案内では「反映まで24時間ほど」とありましたが、実際には半日ほどで新しいサイトが表示されました。
ここで大事なのは、ネームサーバーを変えても、すぐには切り替わらない ということです。
世界中の案内係が、新しい情報を覚え直すまでに時間がかかります。その間は、見る人や見る場所によって、古いサイトが出たり新しいサイトが出たりします。
これを知らないと、「設定したのに変わらない!」と焦って、何度も設定をいじってしまいます。私も若い頃は、反映待ちの時間がとても長く感じたものです。
サイトの引っ越し(サーバー移転)で、いちばん悩ましいのがこれです。
「新しいサーバーに置いたサイトが、ちゃんと動くか先に確認したい。でも、ドメインはまだ古いサーバーを向いている」
ドメインを切り替えてから不具合が見つかると、その間ずっと、訪問者に壊れたページを見せることになります。
そこで私がよく使っていたのが、パソコンの hostsファイル を編集する方法です。
hostsファイルに「このドメインは、この数字(IPアドレス)のサーバーを見に行く」と書いておくと、自分のパソコンだけ 新しいサーバーを見に行くようになります。世の中の案内係はそのままで、自分専用のメモを優先させるイメージです。
これで、本番の切り替え前に、新しいサーバーでの表示や動作をじっくり確認できます。
hostsファイルの編集には、ひとつ落とし穴があります。確認が終わったあと、書いた行を消し忘れる ことです。
消し忘れると、自分のパソコンだけ、いつまでも特定のサーバーを見に行ってしまいます。
あとで別のトラブルが起きたときに、「自分だけ表示が違う」原因が分からず、遠回りすることになります。
ネームサーバーを変えたあと、「もう切り替わったかな?」と確認するときに使っていたのが、Windowsのコマンドプロンプトの nslookup です。
nslookup ドメイン名
と入力すると、そのドメインが今どのIPアドレスを指しているかが表示されます。新しいサーバーのIPアドレスが出てくれば、少なくとも自分の環境では切り替わっている、という目安になります。
Macの場合は、ターミナルで dig というコマンドも使えます。今は仕事の環境をMacに移したので、こちらを使う場面が増えました。【要確認】
ブラウザで見ているだけだと、キャッシュ(一時的に保存された古いデータ)のせいで古い画面が出ることもあります。「見た目」ではなく「どこを向いているか」を確認できるのが、このコマンドのいいところです。
もうひとつ、サーバー移転で何度も経験したのが、データの中に古いパスやドメインが埋め込まれている 問題です。
以前、Movable Typeのサイトを別のサーバーに移したときは、データベースを書き出して、その中のパスやドメインを一括で置き換えてから新しいサーバーに入れました。パスやドメインは一か所だけではなく、あちこちに書かれているからです。
WordPressでも同じです。httpからhttpsに切り替えたときも、サイト内のURLをまとめて書き換える作業が必要でした。
さらに、サーバーが変わると PHPのバージョンなど、プログラムが動く環境も変わります。古いサーバーでは動いていたプラグインやテーマが、新しいサーバーでは動かない、ということも起こります。
WADAXでPHPのバージョンを切り替えた記事を書いたのも、こうした環境の違いに対応するためでした。引っ越しの前に、新旧サーバーのPHPバージョンを確認しておくと安心です。
ここまで技術的な話をしてきましたが、長年の経験から一番伝えたいのは、実は技術の話ではありません。
「ドメインとサーバーの契約情報を、自分で把握しておいてください」 ということです。
これが分からなくなると、ホームページを引っ越したいときも、トラブルが起きたときも、何もできなくなってしまいます。前の制作会社と連絡が取れず、ドメインの管理画面に入れない……という話は、Web制作の世界では決して珍しくありません。【要確認:ご自身が見聞きした範囲か】
特に、ドメインは 更新を忘れると失効 してしまいます。長年使ってきた住所を失うのは、本当にもったいないことです。
ログイン情報そのものは人に見せないように大切に保管しつつ、「どこに何があるか」だけは、ノート1冊でもいいので書き残しておくことをおすすめします。
ドメインとサーバーの話は、最初は分かりにくくて当然です。私も、何度もつまずきながら覚えてきました。この記事が、これからホームページを作る方や、引っ越しを考えている方の「最初の地図」になればうれしいです。
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